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About 宙の会とは

宙の会の紹介です。

設立趣意

平成21年2月28日

この世に生を受け、天命を全うしてこそ、人は家族と共に生者必滅の理と心穏やかに受け止めることができるのではないでしょうか。しかし、殺人によって、生命を奪われた無念を、人は天命と呼ぶことはないでしょう。

私たち遺族の思いは、15年・25年の歳月で薄れることなど全くありません。ところが、法的には時効制度が存在し、15年・25年の月日が流れると犯人は何らの刑罰を受けることなく、堂々と社会の中で生きてゆけるのです。命の尊さについて、被害者と犯人を比較した場合、あまりにも矛盾であり残酷です。

殺された者は再び生きて返ることはありません。しかし、この世に正義が存在するなら、犯人に対し被害者の生命の尊厳に替りうる鉄槌を与えて当然と考えます。そのようにならなければいつまでも殺人という犯罪は無くならないと確信します。

私たち遺族の犯人への憤りは増すことがあっても薄れることは決してありません。他方、このような殺人事件が一件でも少なくならないかという強い願いがあります。その根底には、殺害された者そして遺族となった私たちと、同じような無念の生涯を味わっていただきたくないという思いがあるからです。そのためには、時効制度を撤廃し、人を殺害したら厳刑に至るという条理が保たれてこそ叶うものと考えております。

加えて、現在、未解決殺人事件の中で、DNA等で犯人を特定する資料が残っている事件については、現在の法律をよくよく精査していただいて、起訴に持ち込んでいただきたい。そして、時効の停止を図っていただきたいと強く希望いたします。

日進月歩で科学が発達し、微物から犯人を特定できる時代になりました。例えば、DNAでは犯人を4兆7千億分の1の確率で特定できるとの説明もあります。それならば、DNAに人格権を与えて、その人格権を有する者を起訴して、時効を停止する措置は、差し迫る時効を前にした遺族にとっては喫緊の問題です。

一方、すでに時効になった事件の遺族も、今なおやり場のない消えることのない憤りを持ち続けております。その無念の思いを遺族の叫びとして、時効撤廃の運動に参加し、法律を改正することによって、被害者の“死”が無駄では無かったと墓前に報告出来ればと考えております。

時はこうしていても刻一刻と過ぎてゆきます。時効問題について、“遺族だからこそ”殺害された本人の代弁者として“雄叫び”を上げ、殺人事件に対する「時効撤廃」、さらに、これまでの事件に対する「時効停止」措置を求めて、この度、遺族の会を立ち上げることと致しました。

以上

「宙の会名称」及び「ロゴマーク」

「殺人事件被害者遺族の会」の通称「宙の会」は、被害者の方が宇宙という「宙」に永遠の彼方に逝ったとの思いも有りますが、 広辞苑によれば、「宙」(そら)という字は、いくつかの意味がある中で、「無限の時間」を意味すると、第一に説明されております。

  • 被害者は、宇宙の「無限の時間」に
  • 遺族は、悲しみの「無限の時間」に
  • 殺人を犯した物は、裁きを受ける
    「無限の時間」に

とも意味づけることもでき、《殺人事件の被害者は、「宙」(そら)の彼方に逝ってしまったが、「宙」を通じて私たちと繋がっている》という連帯をイメージして遺族会を「宙の会」と命名致しました。
また、「ロゴマーク」は、「宙」の文字から、被害者をみんなで包み込むように丸く繋がり、限りなく拡がる宇宙をイメージして青色の表現と致しました。